セルフカラーのやり方:上手に染めるコツ6つ【美容師が解説】
おしゃれ染めと言われる一般的なカラー(酸化染毛剤)を使い、セルフカラーするやり方と上手に染めるコツを紹介します。セルフカラーの準備物、手順、注意する点などの解説など総まとめ。詳しくは記事内容をご覧ください。
セルフカラーのやり方
準備する道具
基本的には、市販のカラー剤に手袋やトリートメントなどは同封されています。そのほかに必要なものはこちらです。
- 市販のカラー剤
- 汚れてもいいタオル
- キッチンラップ(汚れないように保護するため)
- ダッカール(ヘアクリップ)
- フェイスクリーム(ワセリンでも可)
- 時計
基本の手順
カラー剤を髪に塗る前には、必ずとかしてクシが通るようにしましょう。
髪質によっては、泡カラーを揉み込むと絡まりやすくなったりします。絡まりを解くこと、手ぐしが通るようにしておくことが大切。絡まったまま染めると色ムラが確定します。
ムラなく効率よく塗るために、髪をブロック毎に分けとります。
ダッカールを使って、耳部分でフロントとバック、バックで上下に分けるくらい(6ブロック)で大丈夫です。
フェイスラインにカラー剤が付くと肌が染まるため、保護する為のクリームを塗っておきます。
保護クリームはヴァセリンやニベアでも代用可です。
- フェイスライン
- 耳周り
- 首(特に後ろ)
首が隠れるように、肩にタオルをかけます。(タオルの上にラップをしておくとタオルが汚れない)
次に、イヤーキャップをつけて耳が染まることを防ぎます。
カラー剤に同封されてない場合は、ラップで耳を包み保護しましょう。
カラー剤は2種類の薬剤が入っているので、取扱説明書に従って混ぜましょう。
仕上がりにも影響するので、ムラなくしっかりと混ぜましょう。
襟足から塗る理由は、一番染まりにくいからです。一番最初に塗ることで、時間を長く置くことができます。
襟足を毛先→根元の順番で塗ります。
次に後ろの髪を毛先→根元の順番で全て塗りましょう。
ポイントは、つむじに薬剤を溜めないことです。
つむじは体温が高く染まりやすい部分なので、薬剤を溜めてしまうとつむじだけ明るくなってしまいます。
サイドは耳周りの根元を塗り残しやすいので、塗り残さないように気をつけながら塗っていきます。
前髪の真ん中は染まりにくくて両端(こめかみ)は染まりやすいので、塗布量を少しだけ真ん中は多め、両端(こめかみ)を少なめにするときれいに染まります。
最後に根元がしっかり塗られているかをチェックしましょう。
特に分け目付近は、根元が染まっていないと目立ちます。しっかりと分け目をクシでとかしながらチェックしましょう。
説明書に従って放置しましょう。髪質によっても染まるスピードは異なります。
髪質 | 染まるスピード |
---|---|
髪が細くて柔らかい | 染まるスピードが早い |
髪が太くて硬い | 染まるスピードが遅い |
洗い流す前に少しお湯で頭を濡らして、カラー剤を2〜3分間優しく揉み込みます。これを乳化といいます。
乳化をする事によって、カラーを全体になじませる効果や色の定着、そして薬剤をキレイに落としきることができます。
必ず手袋をつけてやってくださいね。爪が染まったり、手荒れの原因にもなりますし、カラーを素手で触るのはNGです。カラー剤が垂れることもあるので、目にカラー剤が入らないように気をつけてください。
お湯の温度は、38度以下のぬるま湯でしっかりとカラー剤を流します。
すすぎでカラー剤を全て取るイメージです。カラー剤を全て流した後、シャンプーとトリートメントをします。シャンプーは優しく頭皮をマッサージし、トリートメントは少し時間をおきます。
トリートメントによって髪に栄養補給し、カラー剤でアルカリ性に傾いたphを弱酸性に戻します。
洗い流さないトリートメントは毛髪表面をコーティングする作用があり、カラー剤を髪から流出させないためにも必ずつけてからドライヤーをしましょう。
濡れた状態で長くいるとカラー剤は色落ちします、髪を洗ったらすぐに乾かしましょう。
上手く染めるためのコツ6つ
①適正量を塗布する
適正塗布量は、染まりやすい部分には少なめ、染まりにくい部分には多めにします。
染まりやすい部分と染まりにくい部分を理解することで、塗布量を調節することができます。
- こめかみ
- 頭頂部(つむじ)
- 襟足
- もみあげ
②乾いた髪に塗る
髪が濡れている部分と乾いている部分がある状態で、泡カラーを塗ると色ムラになりやすくなります。
もし濡らしてしまった時は、一度ドライヤーで完全に乾かしてから塗り始めましょう。
③乳化が重要
乳化をすることで、頭皮に付着した薬剤をしっかり落とす効果や、まんべんなくカラーを馴染ませることで色ムラも軽減されます。
カラー剤は主に油分でできているため、その油分を使ってしっかりカラー剤を落としきることができます。
油は油で落とす。その作用はメイクを落とすクレンジングオイルの効果と良く似ています。
●乳化の目的
ヘアカラーの「乳化」は以下の2通りの目的があります。
(1)頭皮・地肌に付着した薬液を、きれいにしっかりと取り除く
頭皮に染まってしまった染料を落とすため、または染毛直後で毛髪表面にある不安定な染料を落としきるために乳化を行います。頭皮・地肌に付いたカラー剤(染料)は、すぐにシャンプーしても落ちにくいですが、ヘアカラーのクリームにお湯等を少しミックスさせて、軽くマッサージすると頭皮・地肌に残っているカラー剤(染料)がなじみ、染料が地肌から落ちます。(2) 染毛されていない部分がないように、薬液を再度まんべんなく全体になじませる
白髪染めは、薬液に含まれるブラウンベース(染料)が濃く、頭皮等に汚染しやすいため、カラー後の乳化が必要です。一方、ファッションカラーは、頭皮汚染も少ないので、乳化の必要がない場合が多く、無理に行う必要はございません。乳化は、カラーの薬液とシャンプー剤が混ざることによってカラー剤のクリーム状態をこわします。これにより、髪や頭皮からカラー剤(染料)をすばやく取り除くことができます。
④室温を調整する
寒い場所でカラーをすると、染まりにくい事がよくあります。通常は、室温20~30℃で染めることを基準に放置時間の設定がされています。
室温が低い場合は、染め始める前に暖かくしておくと良いでしょう。
⑤薬剤は2箱買う
髪の長さに合わせてカラー剤を用意しましょう。目安として、ショートヘア以外の人は2箱購入することをオススメします。
商品に染めることができる髪の長さについて表記されていますが、毛量や髪質によっても適正量が変わってくるので多めに用意するのがポイントです。
塗り始めてから足りなくなったら、カラーの仕上がりはムラ確定です。一度洗い流すなんてこともできませんし、できるだけ多めにカラー剤を購入しておきましょう。
⑥すすぎはぬるま湯(約38度)
カラー剤を洗いながす時のお湯の温度は、仕上がりの髪色や色持ちにとても影響します。
お湯の温度が高すぎると、ヘアカラーがお湯とともに流出します。38度前後のぬるま湯で洗い流すようにしましょう。
セルフカラーの注意点
必ず手袋をする
手袋を必ずして、カラー剤が皮膚につかないようにしましょう。
手袋なしでカラー剤を使用すると、手が染まることと肌荒れを引き起こすことがあります。
カラー剤による肌荒れが原因で、美容師を続けれられなったという人は少なくありません。皆さんも、カラーをする時は、手袋を必ず着用するようにしてくださいね。
乾いた髪に塗る
濡れている状態で泡カラーを塗ると、液ダレする可能性があります。
カラー剤は目に入るととても危険なので、乾いている状態の髪に塗るようにしましょう。
入浴時に行わない
入浴時のカラーは前項にも記述したように、カラー剤が濡れて液が目には入る危険性があります。安全にカラーを使用するためにも、入浴時のヘアカラーはやめましょう。
換気する
お風呂場や狭い場所でカラーをする時には、換気をするようにしてください。可能であれば窓を二箇所以上開けて、空気の通りができるようにしましょう。
必ずパッチテストをする
泡カラーを使用する前には、必ずパッチテストを行いましょう。
泡カラーによるアレルギー反応が起こるケースがあります。頭皮、髪の生え際、顔、首筋などにかゆみ、はれ、赤みなどの症状が出たり、症状が重くなることもあります。
ヘアカラーを使用して、アレルギー反応が一度でも出たことがある人は、泡カラーを使用しないでください。
まとめ
セルフカラーのコツは、事前に準備物を用意しておくこと、塗り始める前にコーミングして髪の絡まりを解くことが大切です。是非、セルフカラーするときに役立ててください。