市販の白髪染めで上手に染めるコツ9つ:塗る順番を美容師が徹底解説
市販の白髪染めを使って上手に染めるコツを美容師が解説します。「今まで市販の白髪染めで失敗してきた人」も、「これからは自宅で白髪染めをしたい人」に役立つ情報です。
セルフカラーをやったことない。もしくは、自分で染めると上手くいかない。そんな方は是非、参考にしてみてください。
基本的な使用方法は、白髪染めの説明書に従って進めてください。これから説明するのは、クリームタイプの白髪染め(酸化染毛剤)を想定しています。
自分で白髪染めをするのが難しい理由3つ
白髪染めって難しいです。
なぜ上手に染める事が難しいのかについて解説します。
1.白髪は撥水性が高い
白髪というのは、撥水性が高く白髪染めを弾きやすい性質があります。
そのため、塗布量が少ない部分は時間の経過とともに白髪染めを弾いてしまい、その部分は染まらずムラに仕上がってしまいます。
このようなケースで失敗しないようにするには、塗布量が鍵になります。
2.根元を塗るのが難しい
白髪がもっとも気になる部分、それは根元です。
根元を満遍なくキレイに塗らなければ、均一に染めることはできません。
実は、根元を何回も塗り残す美容師がいるくらい、根元を塗るのって難しいんです。
塗り始めの部分と最後に塗り終える部分で時間の差があったりすると、色ムラになったりもするので
できるだけスピーディーに塗る必要があります。
3.白髪染めは暗くなりやすい
白髪染めは暗く染まってしまうことが多いので、ちょうど良い髪の明るさに仕上げるのが難しいんです。
明るさをキープしたい人にとっては、カラー剤選びを慎重にしなければ失敗する恐れがあります。
しかも、白髪染めで暗くなった髪を明るくするのは、美容師でもなかなか難しいのです。
白髪染めを上手に染めるコツ9つ
自分で白髪染めをする方は参考にしてみてください。
1.多めに白髪染めを準備する
市販の白髪染めは、商品によって内容量が異なります。
塗り始めた後に、「カラー剤が足りない!」なんて事になったら悲惨ですよね。
白髪染めは塗り始めたらすぐに反応が始まります。途中で買いに行くこともできませんよね。
毛量によっても変わりますがショートヘアの人以外は必ず、最低でも二つは準備しておきたいですね。
こちらの記事で紹介している白髪染めは、容量だけでなく一箱で染めることができる髪の長さを記載しています。是非参考にしてください。
2.1トーン明るい白髪染めを選ぶ
(出典:WELLA)
白髪染めでよくある失敗。それは、思っていたよりも髪色が暗くなってしまうという事です。
一度暗くなった髪を明るくするのは、ほんと〜に難しいです。
暗くなりすぎないように、仕上がりの明るさ(トーン)をしっかり確認しましょう。
白髪染めの明るさを選ぶ時のポイントは、自分の髪色よりワントーン明るめの白髪染めを選ぶこと。
- 5トーン→地毛(黒髪)に近い明るさ
- 6〜7トーン→地毛よりほんのり明るい
- 8トーン→明るめに仕上がります
カラー剤によっても明るさの基準は異なりますが、参考になるはずです。
3.髪が均一に乾いてる状態で塗る
市販されている白髪染めの多くは、乾いた髪に使うタイプのカラー剤です。
髪が濡れている部分と、乾いてる部分がある状態でカラーを塗り始めると仕上がりがムラになりやすくなります。
もし濡らしてしまった時は、一度ドライヤーで乾かして髪が均一に乾いてる状態を作ってから塗り始めましょう。
4.室温を温めてから塗り始める
季節が冬の時に寒い場所でカラーをすると、染まりが悪くなることがあります。
染め始める前に室温を暖かくしておくと、カラーの反応が良くなります。
そして、ある程度の湿度があるとより良いでしょう。このひと手間で仕上がりが変わります。
夏の場合は冷房が直接当たらないように気をつけましょう。
5.根元から塗り始める
白髪が目立って気になるという部分は、フェイスラインもしくは分け目の根元ではないでしょうか?
一番白髪が気になる部分(根元)から塗り始めることで、気になる部分(根元)の塗り忘れを防ぐ事ができたり、もし薬剤が足りないなんて最悪な事態になっても、気になる部分だけは染める事ができます。
一番最初に塗った部分は、時間を長くおくことができるので染まりがよくなるというメリットもあります。
6.薬を置くように塗布する
根元をしっかりと染めるには、薬剤がたっぷりと根元に付いている状態にしなければなりません。
薬剤を塗ったのに染まらなかったという失敗の多くは、薬剤の量が足りない事がほとんどです。できる限り、薬剤を置くイメージでたっぷりと塗布してください。
- ハケ(コーム)に薬をとり、根元を塗ります。
- 馴染ませるために、コームでとかします。
- 最後にもう一度、薬をハケにとり、根元にたっぷり置きます。
全て塗り終えた最後に、もう一度生え際を再塗布するのがポイント!
最後にもう一度、一番白髪が気になる部分(生え際)に薬を再塗布しましょう。
このくらい念入りに薬をたっぷり塗布してちょうど良いんです。
7.気になる部分(生え際)にティッシュかコットンを貼り付ける
薬を根元に置いたら、ティッシュで蓋をするイメージで根本に貼り付けましょう。
そうすることにより、頭皮の体温で反応が促進されます。
特に根元は毛髪の立ち上がりが強く、時間が立つにつれて塗布した薬剤を弾いてしまいます。
美容室での白髪染めする場合、コットンやペーパーなどをフェイスラインに貼った上から、全体にラップをしたりします。
8.洗い流す前に乳化する
洗い流す前に乳化をしましょう。
乳化をする事によって、カラー剤を全体になじませてムラに仕上がるのを防ぐ効果や色の定着をよくする効果、そして薬剤をキレイに落としきることができます。
乳化のやり方は、少しお湯で頭を濡らしてカラー剤を2〜3分間優しく揉み込みます。その後、洗い流してシャンプーをします。
この時、必ず手袋をつけてやってくださいね。爪が染まったり、手荒れの原因にもなりますし、カラーを素手で触るのはNGです。
●乳化の目的
ヘアカラーの「乳化」は以下の2通りの目的があります。
(1)頭皮・地肌に付着した薬液を、きれいにしっかりと取り除く
頭皮に染まってしまった染料を落とすため、または染毛直後で毛髪表面にある不安定な染料を落としきるために乳化を行います。頭皮・地肌に付いたカラー剤(染料)は、すぐにシャンプーしても落ちにくいですが、ヘアカラーのクリームにお湯等を少しミックスさせて、軽くマッサージすると頭皮・地肌に残っているカラー剤(染料)がなじみ、染料が地肌から落ちます。(2) 染毛されていない部分がないように、薬液を再度まんべんなく全体になじませる
白髪染めは、薬液に含まれるブラウンベース(染料)が濃く、頭皮等に汚染しやすいため、カラー後の乳化が必要です。一方、ファッションカラーは、頭皮汚染も少ないので、乳化の必要がない場合が多く、無理に行う必要はございません。乳化は、カラーの薬液とシャンプー剤が混ざることによってカラー剤のクリーム状態をこわします。これにより、髪や頭皮からカラー剤(染料)をすばやく取り除くことができます。
9.トリートメントを必ずする
シャンプー後には必ずトリートメントをしましょう。
これはとても大切なポイントです。カラー剤によって髪のphがアルカリ性に傾きます。トリートメントをする事によって、しっかりと栄養を入れながら正常な弱酸性に戻してくれます。
弱酸性の状態を保つ事により、ダメージを防ぎ色持ちをよくしてくれます。
髪をダメージさせない事で、カラーが長持ちしやすくなります。
まとめ
白髪染めのコツのまとめ。
- 白髪染めは多めに用意しよう。
- 少し明るめの白髪染めを選ぼう。
- 乾いてる状態で塗る。
- 室温は寒くない程度に温めて。
- 根元から塗り始めよう。
- 薬は置くようにたっぷりと塗る。
- 気になる部分はティッシュでおさえる。
- 洗い流す前に乳化する。
- トリートメントは必ずする。
記事の内容は、個人の感想であり効果効能または安全性を保証する、あるいは否定したりするものではありません。